Interview

東京藝術大学 課題制作 お客様インタビュー

なぜ私は普段、お花を飾らないのだろう?


日常に溶け込む、暖かさを失わない花たち。
こちらは美術大学のデザイン科に通うお客様が、大学の課題で撮影・制作したものです。用いられたのはSakaseruからお届けさせて頂いた花。フラワーデザイナーのアレンジではなく、課題制作に見合うお花をお届けさせて頂いたという、Sakaseruには珍しいご依頼です。
ただ、今回お客さまがポートフォリオサイトで定めた制作コンセプトは以下からはじまります。

「3月は卒業式など各種イベント、お彼岸などで花の需要が高まる。しかし今年、新型コロナウイルスの影響で贈られるはずだった花が大量に破棄された。これは”花は特別な日に贈るもの”という固定概念が引き起こした悲劇であり、決して一時的な問題ではない。」

花業界全体がコロナを通じて直面した課題。それを花業界とはまったく違う方向からフォーカスしたお客様に、この度はインタビューをさせて頂きました。
そこに至った理由、制作の裏側までお伺いしました。

“チャーミングに異を唱えよ”
コロナ禍で取り組んだ課題


――この度はSakaseruでのご依頼、誠にありがとうございました!
また、インタビューにもご協力頂き重ねてありがとうございます。

こちらこそありがとうございます。

――まずは、今回のご依頼の経緯を教えてください。

今回は、新型コロナウイルスで自粛中、大学から「自宅から出ずに課題制作をするように」という指示が出たことからです。課題のテーマは“チャーミングに異を唱えよ”というものでした。 家で手に入るものの中で自分の関心があるものを探して、最終的にお花に行き着きました。

――なるほど。ちなみに、課題テーマ……“チャーミングに異を唱えよ”を、もう少しかみ砕いて頂くと、どういうことなのでしょうか?

「世の中の疑問や違和感に対して、怒りをぶつけるのではなく、チャーミングに、かわいらしさをもって発信していこう」ということでした。
チャーミング、の解釈や、表現に使うものはこちらに任されています。

――ありがとうございます。
花に行き着くまでには、どのような背景があったのでしょうか。

まず、講師のアルバイトをしている美術予備校(※)から、コロナ渦によって不要になった花を持ち帰ったことがきっかけでした。

緊急事態宣言で予備校も全面的に休校になってしまい、デッサンのモチーフとして仕入れていた花が、大量に捨てられることになってしまったんです。
長時間のデッサンに耐えられるようなものですから、すごくしっかりした、綺麗なお花ばかりで……もったいないので、持ち帰って飾りました。

――日頃からお花を飾る習慣があったわけではないのですね。

はい、普段お花を買うというと、人へのプレゼントなど、特別な時だけでした。

その後、頂いていたデザインの依頼がコロナの影響ですべて流れてしまい、落ち込んでいた時、飾ってある花が目に留まりました。
花を目にして、癒やされたんです。

そこでふと、「なぜ私は普段、お花を飾らないのだろう?」と疑問を持ちました。
日常として在る花に、ふと目をやって、癒やされる。今この状況だからこそ、そういう感覚がもっと広まっていけばいいなと思い、それをテーマにすることにしました。
そこから、コロナで花が大量に廃棄されているという話もあわせて、全体的なテーマにまとめました。

Sakaseruへのご依頼
“デザイン”への想い


――それで、花通販サービスであるSakaseruにご依頼下さったのですね。ありがとうございます。

こちらこそありがとうございました。ずっと、制作のための花が手に入るかとても不安だったので、Sakaseruさんの存在はありがたかったです。
また制作の意図を伝えたり、賛同して下さる必要があったので、オーダー前に相談できたのも助かりました。

――ご相談・ご依頼下さった時は、世の中自粛真っ最中でしたもんね。

はい、近所のお花屋さんはどこも閉まっていましたし……。もし花が手に入らないとなれば、また一からテーマ探しをしなければなりませんでしたから。

――スタッフによる無料相談フォームがお役に立ててとても嬉しいです。
ご紹介フォームよりお勧めさせて頂いた、フラワーデザイナー安井はいかがでしたか?

紹介して頂いた時に教えて頂いた、安井さんのインタビューにすごく共感したので、安心してやりとりできました。対応もとても丁寧にして頂きました。

――よかったです!
そのインタビュー内で安井が言っている、「苦しいときほど、お花を取り入れて欲しい」というのは、今回お客さまが感じたことととても近いですよね。

はい。今のこういう状況があったからこそ、たどり着いたテーマだと思っています。
状況や、何か周囲の要素が一つでも違っていたら、まったく違うものになっていたかもしれません。

――なるほど。作品についてもう少し教えてください。
花の飾り方がすごく独特ですよね。今回の制作を通じて、伝えたかったことはなんですか?

“お花ってこんなに日常に溶け込むんだよ”という気持ちや考え方、そして多くの人に癒やしを感じてもらいたいと思って制作しました。
「花をこう飾ったらどうですか」という提案ではなく、日常の中で当たり前にあるように感じさせたいと考えました。

――写真、そしてWEBという媒体を選んだのはなぜですか?

写真はもともと知識がありました。
WEBに関しては、多くの人に癒やしを与えたいなら、アウトプットは沢山の人に見てもらいやすい、WEBサイトだなと思ったので。今回初めてWEB制作について勉強しました。

――制作期間は数週間程度ですよね? それでここまでちゃんとした制作ができるのは、すごいですね……!!

最近は簡単に使えるテンプレートも沢山あるので、そんなに難しいことをしているわけではありません。
……大変ではありましたが。笑

――今回の制作についてどのくらい反応はありましたか?

しばらく連絡を取る機会のなかった、お世話になった方々から、この作品をきっかけに連絡を頂いたりしました。
こういう作品だったからこそ、感想を通じて連絡を頂けたのかな、とは思っています。このご時世ですから、どうされているだろうと不安に思っていた方からも連絡があったりして、「最近はこういう風に過ごしているよ」というような話を聞けたりしたのは嬉しかったですね。やっぱり、WEBという空間を選んだからこその反応だったなと思います。

――それは素敵ですね。
ちなみに、美術大学にも沢山学科があると思うのですが、お客さまはなぜデザインだったのですか?

「人の気持ちを考えたい」と思ったから、デザインを志しました。 今の大学に入る前、教授のお話を聞く機会があり「デザインって言うのは人の心に寄り添うものだよ」という言葉を聞いて興味を持ったんです。

例えばポスター一枚でも、多くの人が関わります。見る人がいて、依頼する人がいて、印刷する人、ポスターを貼らせてくれる人がいます。そして、そういう人たちの立場や条件、望み、気持ちなどを想ってデザインするんです。

デザインする自分がどうしたいかだけではなくて、関わる人のことをねじ曲げて一つにするんでもなくて、それぞれが重なるところを見つけていく、作っていく。そのために考えること、それがデザインであると思っています。

――他の人がかかわる、その人達をのことを想う・考えるというのは、お客さまにとって重要なことなのですね。

はい、考えてみると小さい頃から「できるだけ多くの人を笑顔にしたい」という気持ちがありました。
これというきっかけは思い浮かばないのですが、昔から人を笑わせるようなことを言ったり、人を笑顔にするにはどうしたらいいんだろうとずっと考えていました。
自分も笑顔でいることを意識していましたね。

――今回の制作では、人を笑顔にできたでしょうか。

わかりませんが……できていたらいいな、と。そしてこれからも笑顔にできるようなデザインを学び、形にしていきたいと思います。

インタビューを終えて

今回はSakaseruではじめて接した、フラワーデザイナー以外のアーティストの方のお話でした。
学生の身でありながら(と言うのも大変失礼かもしれませんが)、目的意識と、ご自身の作りたいものが非常にはっきりしていて、Sakaseruスタッフは感嘆のため息をつくばかりです。

苦境を苦境で終わらせず、誰かの力になれる、なりたいとお考えになるのは、アーティストたる所以なのかもしれません。

今回Sakaseruのフラワーデザイナーを信頼し、ご依頼下さったこと。花というものをテーマに選んで、そして作品に昇華して頂いたこと。とてもうれしく、ありがたく感じております。
今後とも花というテーマに興味を持って頂けたら、そこにもしSakaseruが少しでもかかわらせて頂けたら嬉しいです。
引き続きSakaseruを、どうぞよろしくお願いいたします!

【お客様のポートフォリオサイト】 https://s-nh.myportfolio.com/work

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