Interview
Interview
ひと目で「このお花を贈った方は、お届け先さまのことがとても大切なのだろうな」と感じる、こちらのお花。お届け先さまは、Vtuber/バーチャルライバーである月ノ美兎さまです。月ノ美兎さまのメジャーデビュー記念イベントに際して、これまでの月ノ美兎さまの活動を表現したイラストと共に、お花をお届けさせて頂きました。
ご依頼主様は[美兎ボタン]という、ファンの間で有名な非公式ファンサイトを運営されている方。ボタンを押すと、月ノ美兎さんの配信を切り取った音声(声)が再生される。そんなファンにとっては楽しくてたまらないファンサイト様です。
たまたまSakaseruのスタッフも月ノ美兎さまのファンであり、ご依頼の前からこちらのサイトは存じておりました。
ただ、[美兎ボタン]はTwitterアカウントもありますが、ツイート頻度は高くなく、いわゆる“中の人”の表記もありません。そのせいか、管理者さまの存在感は限りなく薄い印象がありました。
月ノ美兎さまのファンサイトとして、唯一無二の存在感を放ちながら、その人格は薄っすらとなりを潜めている。そんな相反するイメージのある[美兎ボタン]管理者さまに、この度お話を伺うことができました!
月ノ美兎さまのファンとして、大切にしていること、お花に託すお気持ち。幅広くお話頂きました。
こちらこそ素敵なお花をありがとうございました。
ボタン制作に落ち着いたのは、委員長(※)の配信内で「ご学友から『ボタンを押したら委員長の声が出るツールが欲しい』との声が寄せられた」という発言がきっかけでした。
ご学友に同調するように他のファンからもボタン制作の願望が漏れ出すものの、誰も実際に作りはしない。そこで「誰も作らないなら自分が作ろう」と思うに至った感じです。
(※)委員長……月ノ美兎さんの愛称
そうですね、以前、配信で触れてもらったりもしたので、多くの人に知ってもらいました。
勝手に配信の声を使わせてもらっているわけですし、本当は委員長自身に知らせるつもりはなく、一部のファンの間でこそこそ遊ぶだけのツールにするつもりだったんですが 。
サイトが出来た時、匿名掲示板に「ここだけの話にして欲しい」という前提で、作ったことを書き込んだら、誰かが委員長ご本人にメールで伝えたようです。
正直に言えば、ボタンについてのメールを読まれた瞬間は、隠していたおもちゃが親に見つかった子どもみたいな心境でした。公に出てしまうことで誰かしらが不幸になるんじゃないかと不安が大きかったです。
というのも、運営の株式会社いちからが持っている権利などを無視して、好き勝手に作っていたので…。更に言うと、本当は委員長が残したいと思っていない自分の声を公開してしまっている可能性もあったので、配信するたびに、執拗に音声を切り抜かれることが委員長の配信モチベーションに影響を与えるんじゃないかという不安がありました。
でもしばらく経って、ファンの方に受け入れていただいたこと、運営の方々から咎められることがなかったことで、安堵とちょっとした嬉しさはありました。
元々Javaは少しかじっていましたが、Webについてはド素人だったので、作りたいと思い立ってからWebページがどういう仕組みで動いているのか勉強し始めました。
学習のモチベーションが維持出来たのは先程お話したご学友の発言があったからです。
ご学友に喜んでもらうことは委員長に喜んでもらうことに繋がる数少ないヒントだったので……。
ただ、あんまり自分では向いていないと思っていて……発想力がないんです。
いえ……そんなことないんです。
どうでしょう…人から見て似てる部分があったら嬉しいですね。委員長って、“陰キャ”なんですよね。臆病だったり、不器用だったり、でも一生懸命なのが好きなところの一つなのですが。身近な人を大切に思う優しさがあるところが、好きだな、と思います。
最初は委員長個人ではなく、いわゆる"嫉妬ムーブ"(※)をきっかけに、同じにじさんじ所属の樋口楓さんとのセットで、一つの百合コンテンツとして冷やかし半分に見ていました。
ですから最初の頃はアーカイブを全部追うでもなく、Twitterを眺めている時にたまたま配信ツイートや実況が流れてきたら見る、というスタンスを取っていた記憶があります。
委員長個人を好きになったきっかけは、リアルタイムで見逃したアーカイブを見ていた時、委員長が配信で僕の好きな[ルーマニア]というゲームについて語ってくれた時かな、と思います。今思えばですが。
他に知っている人のいない、誰にも共有できないことを語ってくれたことに、自己を肯定してくれたように感じて、すごく嬉しくなりました。
(※)嫉妬ムーブ……JK組(月ノ美兎さん、樋口楓さん、静凛さんから成る三人組ユニット)のメンバー・樋口楓さんの配信中に、他二人がデートをしている情報をリスナーから教えられた樋口さんの反応のこと
正直、「全部好き」ではあるのですが……。
あえて言うなら、先程も言った、一生懸命に生きているところ。色々できる一方で不器用でもあって、はらはらするところ。“陰キャ”気質なところ。好きなもののことになると声に出るような、ごまかしがきかないところ。一挙手一投足から熱が伝わってくるところ。……などでしょうか。
特に一生懸命に生きる、という要素は委員長以外でも好きになることが多くて、「こんなに大変そうなのに頑張っている、僕も頑張ろう」という気持ちになります。
……でも、一方で好きな部分というのをあまり言葉にして伝えたくない、という気持ちがあります。
一ファンの挙動で、委員長のモチベーションに影響を与えたくないからです。
委員長はすごく真面目でファン想いな方なので、例えば「委員長の明るいところが好き」とファンが言ったら「明るくいなければ」と考えてしまうことがあるかもしれません。
にじさんじという大きな組織を引っ張っていく立場で、少なからずプレッシャーはあると思います。そんな中で、余計な負担を掛けたくない、といつも思っています。
もう、存在してくれることがありがたくて、少しでも長く活動を続けてくれるのが一番嬉しいので。
実は、応援の形としてフラスタを気に入っているのも、この部分が関わっています。
「委員長に熱量が伝わりつつ言葉での押し付けにならない」ところです。
先程も言った通り、自分の感情を伝えることで余計な負担を掛けたくない、と思っています。これが友人同士であれば、伝えた言葉に関して対話し、微妙なニュアンスまで伝えられると思うのですが、ファンと演者という関係ではそうはいきません。
でもやっぱり、委員長に何かお返ししたいと思うんです。
そうした時に、フラスタは明確な言葉にしなくても応援の気持ちが伝わって良いな、と思います。
元々は、委員長の初めてのソロイベントの時、何かしたいと思って、委員長が好きなアイマス(※)界隈で盛んなフラスタ企画をやってみよう、と始めたんですけどね。
(※)アイマス……ゲーム・アニメなど展開するアイドルマスターシリーズのこと。
フラスタ企画にしても、美兎ボタンにしてもそうなのですが、僕個人の人格は必要ないと考えて、なるべく出さないよう気をつけています。
「委員長のファン」という属性に、僕の言動で他の界隈の人たちに対して、万が一にでも悪印象を与えたくないからです。これも、委員長に余計な負担を掛けたくない、という部分に通じていますね。
正直に言えば、元々検討していたお花屋さんの予約がいっぱいになってしまって、というのが大きいです。
チャット機能も良いなと思いました。あとは、スタッフさんの中に委員長のファンがいるということで、「より真剣に、委員長のお花に合った仲介をして貰えるのではないか」と考えたこともありました。
思っていた以上に使い勝手がよかったです。
こだわりたい細かい部分について希望も伝えやすいですし、電話と違って時間をとられないのがいいなと思いました。
以前は仕事中に無理してお花屋さんと電話をする、といったこともしていたので。
“花を贈る”というだけでなく、作品として見てもらえるようなものを、と考えています。
コンセプトだったり、「こういうことをやりたい、こういうものはどうしたらできるか」ということを絵師さんとも話し合い、決めています。
お願いする絵師さんにもこだわっています。自分が好き、というのもそうですが、委員長が好きそうな絵を描かれる方、というのを意識しています。委員長のいいね欄を見て考えたりとか…。
絵師さんや、参加者の皆さんと一つのものを作り上げるというのが面白いですよね。
ありがとうございました!
*
冒頭でも記載しましたが、スタッフも同じ月ノ美兎さんのファンでもあります。
そのため、お花についてのお話も大変興味深かったものの、それ以上に「こうやって応援してきた方がいるから、今私は月ノ美兎さんの配信を楽しめているのだなあ…」という感慨深い思いになりました。今回記事に含めることのできなかったお話も沢山あり、同じファンだと言うのも、少々はばかられるほどです。
またお花に関しても、「熱量が伝わりつつ言葉での押し付けにならない」……強い強い想いから成る、まさに独自の視点をお持ちでした。お花一つにしても、相手の気持ちを考え抜くその姿勢、本当に、脱帽です。
微力ながら、今後もお客様の応援のお気持ち、感謝のお気持ちを伝えるお手伝いをさせて頂けたらとても嬉しく思います。
改めましてお客さま、この度はインタビューにお答え頂きありがとうございました!
引き続きSakaseruをどうぞよろしくお願いいたします。
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