「みんな俺のこと、好き?」和合真一の“輪”と“鏡”

華やかなお洋服、それに合わせたパライバブルーのピアス、涼し気で端正なお顔立ち。俳優・和合真一さんは、そんな綺麗な外見と強烈なキャラクターで、開幕2分、Sakaseruスタッフの度肝を抜きました。
Sakaseruスタッフたちは少々ペースを乱されつつも、これまでにない“濃い”キャラクターに、前のめりになりながら質問をさせて頂きました。

キャラクターに似合う波乱万丈なこれまでと、ファンの皆様に対するお気持ちをお伺いました。



和合さんが芸能界に興味を示したきっかけは、お母様に影響を受けたものでした。
若かりし頃、女優業をされていたというお母様。和合さんも興味はあったものの、しかし、「自分ができるはずがない」という気持ちがありました。そのため和合さんの芸能界デビューは7年ほどの社会人経験を積んだあとになります。

和合さんは高校でデザインを学び、卒業後すぐ、ある創業間もないITベンチャー企業の社員となります。
25歳ごろまで、多くの時間をその会社で過ごし、業務もWEBデザイナーから営業、ディレクション、プランナー、新規事業の立ち上げなどなど……並の会社員ではできない事を、若い年齢で経験します。
そうして創業期から活躍していた和合さんは、当然、役職や給与といった面でも恵まれていました。しかし、ふとした瞬間、現状に対し迷いを感じます。

「若い時期に拾って頂いたお陰で、青春を捨て去ってしまったなと感じたんです。だから、すごく自分の視野が狭いなと思って」

一念発起、青春を取り戻し、“視野を広げる”ために、飲みの場で様々な人と出会うようになりました。

「中には芸能界で活躍している方ともお話する機会があり、少しずつ、また芸能界に興味を持ち始めました。
オーラというんでしょうか、『いるだけで華やかになる人』っていますよね。自分もそうなりたいなと」





ただ、当初は表舞台に立とうとは思っていなかったそう。芸能人になりたいというよりは、「今の場所以外で、自分のポテンシャルを発揮できるようになりたい」と考えていたとのことで、制作などの“裏方”仕事を想定していたそうです。しかし、やはり酒の席で知り合った芸能関係の方に、決定的な一言をもらいます。

「『和合くん、頭ぶっ飛んでるから表に出た方がいいよ』と。笑」

そうして表舞台に立つことを決めますが、裏方の仕事を考えていたことや社会人としての経験は、タレントとして活動する今も、和合さんに影響を与えています。

「一演者として仕事をするだけではなく、事務所全体をどう盛り上げていくか、という観点を持って活動させてもらっています。
自分の評価が事務所の評価に繋がると考えていますし、他の皆にもよく言っています。事務所の中で『これからどんな人を採るべきか』という意見交換もしますよ」

和合さん、そして同席して下さったマネージャーさん曰く、ウイントアーツのタレントさん同士、ぎすぎすとした雰囲気は無縁なのだそう。その理由の一つに、和合さんも意見する、事務所の方針があると言います。

「うちの事務所はもともと“個性の掃き溜め”みたいなところがあるんですが。笑
僕は今後も、今いる人とは違った個性を持った人が来てくれたらいいな、と。それぞれ良さが違うからこそ、仕事の取り合いになりにくく、ぎすぎすせずに皆が豊かになると思っています。ぎすぎすした雰囲気の中では良いものは生まれませんから。
こう思うのも、社会人経験が長いからかもしれませんね。我ながら、ちょっと変わったタイプです。笑」



人との縁、影響を与え合う存在


“ぎすぎす”から良いものは生まれない――和合さんのその思いは、実際の現場でも発揮されます。
先輩後輩間の厳しい上下関係も好きではないそうで、その場で和合さんが先輩という立場であれば、あえていじられ役に回ることもしばしば。

「先輩がいじられる現場ってすごくいいと思うんです。僕は後輩に萎縮して欲しくなくて。
ぎすぎすした雰囲気も嫌いですし、人間関係に壁を作るのが苦手です。いつもやる自己紹介があるのですが(ここで取材場所でも披露)、……こうやっていきなりぶっこんで行って、なるべく壁を取り払っていったりしてますね。まあ、これをやることで相手に壁を作られちゃうこともありますけど。笑」

この自己紹介は演者さん、スタッフさん関係なく披露されるそうで、曰く、「むしろスタッフさんから丸め込んでいく」のだそう。またそんな和合さんですから、自然と多くの方とプライベートでの付き合いも活発になります。忘年会などの大きな飲みの場に行くと、そこにいるほとんどが和合さんの知り合い、なんてことも。
多くの人と良い関係を築くその先に、和合さんにとって、何があるのでしょうか。

「とにかくハッピーな場が好き、というのもありますが、自分が人との出会いをきっかけに、人生が変わった人間なので。“合縁奇縁”というか、現在の僕は、今まで出会った誰が欠けても、ないと思うんです。
だから今後は、誰かを勇気づけたり何かきっかけを与えたり、影響を与える側の人間になりたいと思っています」

実際にファンの方から「和合さんのお陰で価値観変わった」と言って頂く機会も多いそうです。

「それがすごく嬉しい。表舞台に立つ人間だからこそ、きっかけを与えることができるのかなと思います」





「原作通り」でなくてもいい
2.5次元の舞台で大切にしていること


独自の視点で仕事に取り組み、社会人時代のスキルを活かした業務にも携わり、現場の雰囲気作りに邁進する。そんな幅広い活躍をする和合さんですが、一番お名前を知られているのはやはり、役者さんとして。
和合さんにとっても、“お芝居”というのは特別なものだと言います。

「今までお芝居をやってきたことで評価してくれる方がいて、応援してくれる方がたくさんいますから。
自分の芝居を応援してくれる人がいる限り、お芝居は続けていきたい、突き詰めていきたいです」

役者さんとして、和合さんにとって大きな出来事は、人気スポーツ漫画『黒子のバスケ』森山由孝役と、おそ松さんの十四松(F6)役で舞台に立った時でした。

「『黒子のバスケ』は、特に自分に合った役だったなと感じています。関係者から『オーディション会場に森山がいた』なんて言って頂いたりして。笑
原作ファンの方からも『舞台に興味がなかったけど和合さんを見て舞台に興味を持った』と言って頂くこともありました。本当に、ハマり役でしたし、当たり役でしたね」

それ以来、数多くの2.5次元舞台に出演するようになった和合さん。キャラクターを演じる中で大切にしていることがあります。

「大切にしているのは、原作をリスペクトすることです。2.5次元の舞台は僕のことを知らない、原作ファンの方もたくさん来て下さるので。
ただ必ずしも、原作通りでなければならない、というわけではないと思います」





「自分と役との間に共通点を見出したり、あえて変えていったりして、『この役が和合さんでよかった』『和合さんのお陰でこのキャラがもっと好きなりました』そういう言葉を掛けて頂けるように、“役を生きる”よう、意識しています」



新型コロナによる自粛
応援して下さる方に支えられた時間


舞台演劇やイベントといった、直接ファンの方と会える機会が、今年2020年、新型コロナウイルスによって失われました。
仕事、ひいては生活に直結する俳優の皆さんにとって、それは格別に大きな出来事です。その間の過ごし方はまさに十人十色。和合さんはどのように過ごしていたのでしょうか。

「自粛期間は、ファンの方に支えられていました。
もともと、僕はSNSを活発に使っていたので、自粛期間もそれを続けていました。これがなかったら、気が滅入っていたと思います」

Twitterのいいねやリプライといった、ちょっとしたコミュニケーション。それが和合さんの心を支えていました。
そしてこの期間だからこそ気づけたこと、感じたこともあるそうです。

「コミュニケーションの大事さ、会うことの大切さ、そしてファンのみんなが自分にとってどれくらい大切な存在か、というのが改めてわかりました。会うことで直接顔が見えるのもそうですし、お花とか手紙とかプレゼントとか、応援してくれている人の心を形にしてもらえるのは、本当にありがたいことです」

お花は直接見れる環境であれば隅々まで写真に撮り、大切な思い出にするそう。そして和合さんは花の立て札に感謝の言葉を書き入れています。

「見たよ、ということと、感謝をちゃんと伝えたくて。『応援しているよ』という気持ちを具現化してくれたことに対して、ありがとうを伝えたいんです。
……それに昔一度だけ、名前を売り込みたくて、自分で自分のお花を出したこともあります。笑
だから今コンスタントに頂けるようになったこと、とてもありがたいですし嬉しいですね」





それでは改めて、ファンの皆さんは、和合さんにとってどんな存在なのでしょうか。

「自分自身を形成してくれている存在、です。
ファンは俳優を映す鏡だと思っています。だから俳優として一番嬉しいのは、ファンの方が褒められることです。
ファンの方から『今までお化粧に興味がなかったけど、和合さんに出会ってから勉強しています』って言葉を頂いたことがあるんですが、実際周りの人から、『和合さんのファンってマナーもしっかりしているし、楽しい人ばっかりだし、いい人ばっかりだし、綺麗な方が多いね』なんて言われたりして。
それってお互いに良い影響を与えられているんだと思うんです。僕もファンの方に高めてもらっているし、僕をきっかけにして人生変わっているという方も多いです」

そんな和合さんは、“ファン”という言葉にも思うところがあるそう。

「ファン、って一方通行な感じがして、あまり好きじゃない。
僕のファンコミュニティを“和合の輪”という名前で呼んでいるのですが、そういう、横並びの、相互的な関係でいたいです。
お互いに高め、高められの関係を続けて行きたいですね」

最後に、和合さんから応援して下さる皆様へメッセージをお預かりしましたので、お伝えします。

「みんな俺のこと、好き?
俺はその何倍もみんなのことが好き。ハハッ」





インタビューを終えて


今回インタビューさせて頂いたウイントアーツの3名の俳優さん(※)は、同席して下さったマネージャーさん含め、とてもあたたかい雰囲気で、リラックスしてお話をして下さいました。

和合さんは特にこちらを笑わせ、楽しませながら、自らの意志と考えを迷いなく仰る方でした。(合間に、「本当は大したこと考えてないんですけど、それらしく言うのが得意なんです」とまた私たちを笑わせながら)しかもその口にする意志というのが、ご自分を二の次に置いた利“他”的な言葉。
「自分の中でお芝居は特別」というお話をする時でさえ、その理由は「これまで役者としての自分を評価して、応援してくれた“人”がいたから」との答えでした。
でも、決して無理をしているわけではなく、それを心から楽しんでやっているのだということが伝わってきたのが、すごく印象的でした。Sakaseruスタッフたちはただただ「すごいなあ」と呟くばかり。

インタビュー中、こんな言葉もありました。

「会社で働いていた頃、変わり者と言われることもあって、直そうかなと思っていたこともあったんですが、僕は『社会が僕に馴染んでない』と思っていました。笑
そして今、この業界に来て、僕が僕であることが喜ばれている。やっぱり、社会のほうが僕に馴染まなかったんですよ」

自分が自分であることを徹底しながら、常に人を楽しませる根っからのエンターテイナー。そんな和合さんはきっとこの先どんなことがあっても、和合さんであり続けるのだろうと、そうでいて欲しいと感じました。
その素敵なお考えで、ご活動で、これからも“輪”の方を、周囲の方を、幸せにしていって下さい。Sakaseruからも、応援させて頂けたら嬉しいです。

和合さん、お忙しい中この度はお時間頂き本当にありがとうございました。

6/19掲載 岩佐祐樹さん7/1掲載 伊勢大貴さん、7/3掲載本記事 和合真一さん



こちらは完璧な角度で自撮りをする和合さんです。




【今回のインタビュー:和合真一さん】
今後の出演情報は以下です。詳しくは公式HPにてご確認下さい。
2020年7月15日(水)~7月19日(日)@シアターサンモール
舞台「天満月のネコ」


http://www.tambourine.co.jp/stage/neko/

【取材・執筆】Sakaseruアスカ
【撮影】Sakaseru小柴

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